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2024.04.27 13:00

2023年、ネットの「児童ポルノ」が過去最多に 英監視団体が報告

木村拓哉

Shutterstock.com

英国のオンライン監視団体インターネット・ウォッチ・ファンデーション(IWF)は米国時間4月23日、昨年はネット上での児童の性的虐待が、記録された範囲で「最も激化した年」だったと警告した。同団体は、性犯罪者が児童に強要して作成した露骨なコンテンツが急増中であることを指摘し、ハイテク企業やプラットフォームに迅速な対応を求めている。

ネット上の児童の性的虐待コンテンツの特定と削除を支援するIWFによると、2023年に発見されたこの種のコンテンツを掲載したり告知したりするウェブページの数は、過去最高の約27万5600件に達したという。

同団体が発見したこれらのサイトのほぼすべて(92%)には、「被害者がウェブカメラ越しに性的行為を行うよう強要されたり、脅迫されたりして作成されたコンテンツ」が含まれていたという。

IWFによれば、このデータは、世界の50以上の報告サイトから寄せられた約40万件の報告を分析した結果得られたもので、前年から8%増加していた。また、これらのウェブサイトの約33%は、オランダでホストされており、約15%が米国でホストされていたという。

IWFのアナリストによれば、3歳から6歳の児童の自作の性的コンテンツが約2400件発見され、その大半は女児だった。このことは、性犯罪者が家庭内のデバイスを使用して幼い児童をターゲットにするケースが増えていることを示しているという。

IWFは、ハイテク企業やプラットフォームが、英国のオンライン安全法のような厳しい規制が発効するのを待つのではなく、より強力なセーフガードを実施するために「直ちに行動を起こすべきだ」と述べている。

一方、生成AIは、子どもたちへのより大きな脅威になりつつあるとIWFは警告している。2023年に同団体は、人工知能(AI)で生成した児童の性的虐待の画像を含む51のウェブページを発見したが、そのうちの42のページの画像は、本物と見分けがつかないほど精巧なものだったとしている。AIを用いたコンテンツは、現状ではまだ少ないが、今後は急増することが予想されると同団体は述べている。

IWFはまた、児童から送られた写真を「ヌード化」するためのツールを使用することを性犯罪者に奨励するマニュアルをダークウェブ上で発見したと述べている。「このことは、性犯罪者らがAI技術をこのような目的のために使用することを互いに助言し、奨励していることを示す初めての証拠だ」とIWFは述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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